当店で取り扱っております既製品の商品に、オリジナルのデザインをプリントする場合、主に
「シルク印刷」
という方法で印刷をします。
シルク印刷は、「印刷不可」と記載している商品以外にはすべて対応可能です。
シルク印刷ってどんな印刷? |
シルク印刷はシルクスクリーン印刷とも言います。
まずは印刷用のデータから、細か〜〜〜〜〜〜〜〜い網目のスクリーン状の「版」というものを作ります。
印刷したいバッグや袋の上に版を乗せ、版の上にインクを乗せて、ヘラでこすりつけるような形で印刷をします。
版に使われるスクリーンには、もともと全体的に特殊な薬剤が塗られており、網目がつぶれています。
そのスクリーンにデザインを焼き付けると、デザイン上で「黒」で表現されていた部分だけ薬剤が溶け、版の網目が見えるようになります。
そうして版の上にインクをのせてこすりつけることで網目が見えている部分だけインクが透過するので、下にあるバッグなどにインクが乗るという仕組みです。
どうしてシルク印刷では1色印刷がおすすめなの? |
上記の工程からお分かりいただけるかと思いますが、シルク印刷の場合は印刷の色ごとに「版」を作る必要があります。
たとえば、赤と青の2色を使ったデザインの場合は、赤用の「版」と青用の「版」を作ります。
そして、まずは赤用の版を使って赤のインクで印刷し、乾かした後、青用の版を使って青のインクで印刷します。
青を印刷する際、すでに印刷済の赤の位置にできる限り位置合わせをするように青用の版を乗せるのですが、人の手で1枚1枚印刷していきますので、どうしても若干のズレは生じてしまいます。
それがいわゆる「版ズレ」と言われるものです。
赤と青の位置がある程度離れていて、多少ずれても問題ないデザインでしたらいいのですが、たとえば赤い星マークに青い輪郭線があるなど、赤と青がぴったりとくっついているようなデザインですと、若干のズレでもデザインの仕上がりに影響してしまうので、そういったデザインの場合はお客様にズレてしまう可能性があることをご了承いただいた上でお受けする形となります。
ズレのご了承をいただけない場合は、ご注文をお受けできない場合もございます。
また、2色印刷ですと、版も2版作らなければいけませんし、印刷も2色分となりますので、版代や印刷代が高くなります。
クオリティ面だけでなく、そういったコスト面からも当店ではシルク印刷の多色刷りはあまりおすすめしておりません。
シルク印刷が苦手なデザイン |
シルク印刷では、1色印刷だったとしても苦手とするデザインがいくつかあります。
【苦手 その1】 広範囲なベタ印刷
既製品の商品の場合、商品ごとに「印刷可能範囲」というのが決まっておりますが、印刷可能範囲いっぱいに「ベタ印刷(※1)」をして、ロゴや文字を「ヌキ(※2) 」で表現するデザインはあまりおすすめしません。ベタ印刷はムラが出やすいので、仕上がりがあまりきれいにならない場合がございます。
商品によってはベタ印刷が不可になっているものもございます。
(※1)印刷可能範囲のほぼ全面にあたるくらい広範囲にベターーーっと印刷すること
(※2)ロゴなどの周囲にインクを乗せて、ロゴや文字・イラストなどの部分はインクを乗せず生地色で表現する方法
【苦手 その2】 細い線や細い隙間
生地にシルク印刷をする場合、紙などと違って生地には凹凸がありますので、あまり細い線や細い隙間はきれいに表現ができません。
目安としては、線の太さおよび隙間は1mm以上をお願いしております。
1mm以上の太さがあれば、ほぼ問題なく表現はできるとされております。
※生地が非常に薄い(不織布40g/m2など)商品の場合は、もう少し太くしていただかないときれいに表現できない場合もございます。
・線が細いフォントの文字
・逆に線がかなり太くて隙間が細い文字
・キャラクターの髪の毛や服の細い線
・ロゴやイラスト内の小さな隙間
などなど、
できましたら、線の太さ・隙間は1mm以上を目指してデザインしていただけると非常にうれしいです。
当店では、ご注文いただくお客様には、データを拝見した際に印刷上心配な点がありましたら、工場に入校する前にお客様にご指摘をして、調整できる部分は調整をお願いしております。
せっかく素敵に仕上がったデザインなのに、印刷したらつぶれてしまってなんだかわからなくなってしまった、というのではかえってお客様に申し訳ないことになってしまうと考えているからです。
それでもどうしても細かいデザインのままで、というお客様には、つぶれやかすれのリスクをご説明してご了承いただいた上で進めさせていただいております。
1mmっていうと結構細いと思われるかもしれませんが、デザインにおける1mmはかなり太いです。
これまで数多くのお客様にご注文いただいて、様々なデザインデータを拝見してまいりましたが、1mm以下の細い線や細い隙間が含まれているデザインは非常に多いです。
中には0.1mmにも満たない細〜〜〜い線や、細〜〜〜〜い隙間が含まれているデザインも、結構あります。
1mm以上ないと確実につぶれたりかすれたりしてしまうというわけではなく、場合によっては0.5mm程度の線でも出る場合もあります。
それはご注文いただく商品や、生地色・刷色の組み合わせなどいろいろな条件によって変わりますし、なにぶん人の手で印刷するものですので、誤差も生じます。
印刷されたいデザインが細かいかな〜と思われる場合は、ご注文前に一度データをお送りいただければ、当店にて確認をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
あくまでも経験上でのお話にはなりますが、できる限りのアドバイスはさせていただきます。
生地へのシルク印刷の場合は、紙印刷のような厳密な仕上がりを求められると対応できない場合もございますので、お客様にはなるべくおおらかなお気持ちで、ご注文いただけると幸いです。
【苦手 その3】 濃い生地色に薄い刷色
黒や紺などの濃い生地色に、白や淡い色のインクで印刷をする場合、インク部分に生地色が透けてみえるような感じになって、発色が沈んだように見えることがあります。
もちろん黒い生地に白印刷などのご注文もたくさんございますので、対応は可能ではありますが、印刷部分に生地色が多少透けてみえるような仕上がりになる点については、ご了承ください。
印刷の刷色の指定の仕方 |
シルク印刷の刷色は、基本的に「DICカラー番号」という色番号でご指定いただきます。
DIC株式会社(旧.大日本インキ化学工業株式会社)が出版している「DICカラーガイド」という色見本帳があって、これが日本国内の印刷会社で一般的に使われています。
「DICカラーガイド」では、様々な色に色番号がついています。
たとえば「赤」と一言でいっても、いろんな色味の赤がありますよね。
そのいろんな赤1つ1つに番号がついているんです。
えんじ色に近い赤だったり、朱色っぽい赤だったり、深い赤だったり。
「赤」といっただけではどんな「赤」がいいのかわからないので、「DIC●●番の赤」というふうに番号で指定するわけです。
DICカラー番号をご存じでしたら、DIC番号でご指定をお願いします。
ただ、印刷業界やデザイナーの方以外の方は、DIC番号といってもご存知ないのがふつうですので、ご存知ない場合は、ご遠慮なくご相談ください。
※印刷の刷色が白や黒の場合は、「白」「黒」とご指定いただければ結構です。
※金・銀・蛍光色での印刷をご希望の場合は、別途ご相談ください。
その他、印刷についてご不明な点がございましたら、お気軽にお問合せください。
できる限り丁寧にご説明させていただきます。
袋とバッグのプリント屋さん
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メール:shop@fukuroprint.com
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